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東京広島県人会

事務局便り

【「人生学」講義】 第1回学生応援セミナーより①

新連載 ―「人生学」講義 第1回 ―
2016年11月29日(火)広島県東京事務所会議室で開催した第1回学生応援セミナーの講義を連載でお届けいたします。
第1回目の講師は、東京広島県人会会長の大竹美喜氏(1939年生まれ。1974年アメリカンファミリー生命保険会社日本社を創業。2013年教育再生実行会議有識者委員)です。

 

住川雅洋幹事長より開会のご挨拶

こんにちは。ふだん皆さんは大学で教官からいろんなお話を聴き、実際の教科を学んでおられると思いますが、今日はそれとはやや違って、産業界でドラマチックな人生を送ってこられた大竹会長から、いろんな人生の節目にあたって今後役に立つようなヒントが得られるお話が聴けるのではないかと期待しておりますので、
皆さんも大竹会長の話にぜひ耳を傾けていただきたいと思います。

 

 

「人生学」講義 第1回 大竹美喜氏
【1】2人の師との出会い

本日は、自分が歩んできた人生の一部分をご紹介して、皆さんがこれから社会に出られてから思う存分幸せな人生を手中に入れてほしいという思いがあって、お話を始めさせていただきたいと思うのですが、私は20歳のとき渡米しまして、戦後間もない頃のことで、まだアメリカに留学する人なんかほとんどいませんで、私の記憶では田中角栄さんの娘さんの田中真紀子さんがロサンゼルスにおられたくらいで、そういう時代に、私は幸運に恵まれてアメリカに渡って、2年半ぐらい生活して、日本に帰ってきて、それで上京したわけです。

私は広島農業短期大学の5期生で、今は統合されて県立広島大学となって宇品に本部があるわけですが、東広島市の、昔は賀茂郡西条町と呼ばれていたところで、2年間、農業の勉強をいたしました。
なぜそこで学んだかといえば、私は広島県の庄原市というところで誕生したんですが、実は母方の実家に男がいないということで養子になることが生まれた時から決められていましたから、高校卒業と同時に農業を営むことになっていたんです。ところが、北大の教授を定年退官されて庄原の市長になって帰ってこられた八谷(やたがい)さんに、高校生の頃、出会って、「農業やるのも結構だが、広島農業短期大学というのがある。そこに学んで来い」と言われまして、私は大学に進学することなど全く考えていなかったので、高校3年間、思う存分遊んで、楽しい生活をしていました。突然、大学に学べという話が市長から出まして、私も本当にそこで困惑というか迷ったんですが、せっかく市長さんがそこまで言ってくださるならということで、受験勉強も全くしていなかったんですが、受験させていただいて、合格通知をいただいて、2年間学んだんです。

そこの学長が素晴らしい学長でして、山根甚(じん)信(しん)という北大の教授をなさった方で、その先生が子どものように私を愛してくださって、学長のお家で夕食などを共にさせていただくような間柄になって、「大竹君、君は国内にいても、うだつの上がらない生活をすることになるだろう」と言われたんですね。広島農業短期大学というのは、実は、広島県が農業改良普及員を養成するためにつくった学校なんです。だから、卒業してからほとんどが県の職員になっていくわけです。「君はその仕事には適していない。世界に羽ばたけ」というふうな話が出まして、「どうしたらいいんでしょう」と言ったら、「農業移民でブラジルに渡って、大きな農園の経営者になれ」と。こんな話が出まして、それも大きな挑戦だなと私も思って、ポルトガル語を一生懸命に勉強して、神戸に行って、移民船に乗ろうと思っていたときに、両親や親戚から猛反対が出まして、結局、断念せざるをえなくなった。

だけど、私は一度、海外雄飛を夢見たわけですから、そこで引っ込むわけにいかないんで、北米を選んだわけです。私の人生はそこで大きな岐路――それが今日の私を作り出したわけで、戦後間もなかったんですが、アメリカにまいりました。

 

>【「人生学」講義】 第1回学生応援セミナーより①
>【「人生学」講義】 第1回学生応援セミナーより②
>【「人生学」講義】 第1回学生応援セミナーより③

 

第2回応援セミナー 開催決定
詳細は近日ホームページにて発表します