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東京広島県人会

事務局便り

【「人間万事塞翁が馬」講義】第4回広島U-30応援セミナーより②

連載 一 「人間万事塞翁が馬」講義 第2回 一

2019年11月29日(金)広島大学東京オフィスで開催した第4回広島U-30応援セミナーの講義を連載でお届けいたします。

第4回目の講師は、東京広島県人会副会長の三浦惺氏です。

【略歴】東京大学法学部卒業、電電公社入社後、東日本電信電話株式会社社長、日本電信電話株式会社社長、同社会長を歴任。
現在、日本電信電話株式会社特別顧問、株式会社広島銀行取締役、日本生命相互会社取締役

 

 

 

 

三浦副会長講演(「人間万事塞翁が馬」講義 ②)

 

私がもっとも希望しなかった労務人事部門でしたが、当時は官公労がものすごく強かったこともあり、そこを経験していなかったら、恐らく僕は社長になっていないと思います。今のようなデジタル化時代だったら私が社長になることも無理だったと思います。社長になったのが幸せかどうかは別にして、社長になるのも運というか巡り合わせがあるし、その時の会社の置かれた状況もあると思います。

私たちの時代は就職じゃなくて就社でした。私自身は何がしたいということがあって就職したのではなく電電公社に入ったんです。大企業というのは入ってからいろんなコースを経験していく。きょうは学生の方があんまりいらっしゃらないようですが、学生時代もちろん、就職をされてからも、自分が何をやりたいのか、常に考えておいたほうがいいというふうに思います。

日本の企業というのはどちらかというとゼネラリスト育成をしてきたんですよね。しかし、そんなことはやっておれない時代にもうなってきている。七転び八起き、人生万事塞翁が馬じゃないけれども、様々な仕事につく、様々な上司に出会う。また、思うようにいく時もあれば、いかない時もある。その時、これだけは自分がやりたいな、あるいは自信があるという分野を持っておくように常に心掛けて、時間があれば、勉強して知識も深める、考える。こういうことをぜひやっていただきたいと、僕自身の反省も含めて思います。

せっかくだから、私がNTTですし今まさにデジタル時代を迎えているので資料を見てください。1ページ目は今の社会情勢を俯瞰したものです。2ページ目は、第四次産業革命です。日本では政府も経団連もSociety5.0と言っています。3ページ目は、第四次産業革命の取り組みでドイツが一番最初にインダストリー4.0を打ち出しました。今、アメリカが問題にしている中国は、中国製造2025を2015年に出しました。日本は2016年にSociety5.0というのを出している。

4ページ目にデジタルトランスフォーメーション。これもだいぶ言い尽くされた言葉になってきましたけれども、ICTツールによってさまざまなデータの集積や経営におけるデータ活用等を実現をして、新たなビジネスモデルの創出する。ここで言いたいのは、これまでのITというのは、省力化や生産性向上のツールだったんだけれども、このデジタルトランスフォーメーションというからには、ビジネスモデルそのものを変えていく。もうちょっと言うと経営戦略そのものだということです。ですから、AI、ビッグデータ、いろいろありますけれども、経営の根幹を変えてしまう、仕事のやり方を変えてしまう。単に今までを効率化して生産性を何割上げる、あるいは何倍にするというだけじゃなくて、ビジネスモデルを変えるところまでいかなければ、本当のデジタルトランスフォーメーションにはならないというふうに思っています。

5ページ。これはNTTが今いろいろ取り組んでいる分野を書いているんですけれども、例えばスマートモビリティで言えば、今、トヨタ自動車と一緒に走っている車500万台をトータルで管理することに取り組んでいます。その車のスピードとかどこにいるのか、道路の込み具合なども管理していこうとしています。そのためには今のままのネットワークではとても間に合わない。これをトヨタなんかは国内じゃ500万台で十分なんですけれども、海外だと2,000万台を同時に管理する。それぐらいのネットワークをあるいは、システムを考えてほしいというところまで来ています。

次に、スマートファクトリーというのは、ファナックと今組んでロボット生産などにネットワークを絡ませて、生産性向上に取り組んでいる。

それからスマートスポーツと言ってスポーツ観戦というものも、テレビの時代から5Gへの時代になればもう動画は当たり前。個々の選手を追っかけたり、その選手のデータなどをテレビの1画面だけじゃなくて、合わせて見られるように、今、実験をしています。NTTもJ2の大宮アルディージャを持っているんですけれども、大宮でそういった実験をしています。

それから、スマートシティですが、今、ラスベガス市と組んで、交通情報、観光情報、などを含めて新しい都市システムに取り組んでいます。

またスマートヘルスケアでは、遠隔医療とか包括医療システムなどに本格的に取り組んでいます。

それから、農業も岩見沢市と一緒にスマートアグリということでICTの活用に取り組んでいます。個人的には、今、帯広でピーナッツの生産管理に関わっています。ピーナッツというのは千葉が有名なんですけれども、千葉がもうだいぶ高齢化して生産が減ってきているんです。帯広でピーナッツを作って、今年6月から売り出しているんですけれども、北海道というのは、日本の本州と耕地面積が全く違う。十勝、の士幌農協1農家の農協への貯蓄額が平均1億幾ら。日本の農業というのは、兼業農家が本州では圧倒的に多く農地が平均5ヘクタールとか6ヘクタールとか。しかし北海道は30ヘクタール、40ヘクタール。

<③に続く>

三浦副会長講演(「人間万事塞翁が馬」講義 ①)